今日は、「外国人の社会保障制度」について触れていきたいと思います。
日本人にとってもややこしい側面がある社会保障制度ですが、
外国人にとってはなおの事ややこしい制度でもあります。
受入れ機関のみならず外国人本人に社会保障制度への理解を得る必要があるところです。
社労士との行政書士の兼業者が多い所以でもあります。
まず、基本的に受け入れ企業においては、
国籍を問わず、日本人を雇用した時と同じと考えて問題ありません。
少なくとも外国人だからと言って省けるものはないと言えます。
【日本の社会保障制度について】
まずは、日本の社会保障制度についての確認ですが、
「社会保険」
「社会福祉」
「公的扶助」
「保健医療・公衆衛生」
の4つによって成り立っています。
【厚生年金保険・健康保険について】
厚生年金保険と健康保険はいわゆる「強制適用事業所」
(一部の事業を除く常時5人以上の従業員を使用する事業所)
においては加入手続きをしなければなりません。
任意で加入しないということは許されない手続きとなっています。
ここでポイントとなるのは
外国人においては「社会保障協定」や「脱退一時金」と言った制度がる点です。
【社会保障協定とは】
外国人の中には日本の社会保障制度に加入することにより、
自国の社会保障制度と二重に負担を強いられるケースがあります。
また、ご存知との通り日本で年金を受け取るには
かなりの加入期間がないと受給の権利を得られない制度となっています。
そこで、このような問題を解決するため
日本と相手国との間で結ばれる社会保障協定では
・二重の負担を回避するための二国間での調整
・厚生年金加入期間を自国の年金制度加入期間と見なす
などと言った内容が盛り込まれています。
現在日本は20ヶ国を超える国と社会保障協定を結んでいますが、
国によって内容が異なりますので正確な知識が必要となります。
【脱退一時金とは】
厚生年金制度において、
一定の要件を満たせば、日本に住所を有しなくなった日から
2年以内に払い込んだ保険料の額に応じた一定の金額を請求できる制度です。
脱退一時金制度について詳しくはこちら
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html
厚生年金への理解が得られないケースでは
このような制度があることまで説明できると理解が得られやすくなります。
【雇用保険・労災保険について】
どちらも原則、国籍を問わず労働者を一人でも雇っていれば、
加入が必要なものになります。
基本的にはパートやアルバイトでも加入が必要です。
加入している以上は、
不法就労者にも適用になります。
また、ワーキングホリデー(特定活動)は
在留目的が「就労」ではなく「休暇」であるため対象になりません。
以上をご参考にしていただけると幸いです。
本日も、最後までお読み頂きましてありがとうございましたm(_ _)m